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j.kraftのオーナーとして、夏の避暑ルートとして自信を持っておすすめできる場所がある。それが和歌山の熊野古道エリアから高野山を繋ぐ一泊二日のルートだ。
正直に言っておくと、これは気軽に「今週末行こう」と言えるルートじゃない。総走行距離は450km超、宿泊必須の行程だ。でも、その分だけ走り切ったときの満足感は本物だと思っている。世界遺産の聖地をトライクで駆け抜ける体験は、日帰りツーリングとはまるで次元が違う。
熊野古道ツーリングの魅力とは 熊野古道ツーリングの魅力とは
関西最大級の山岳道路を独り占めする感覚 関西最大級の山岳道路を独り占めする感覚
熊野古道エリアのツーリングで多くのライダーが口を揃えて言うのが、「阪和道を降りた瞬間から別世界になる」という感覚だ。
国道311号は熊野古道と並走していて、走っていると古道跡の標識が何箇所も現れる。信号がほとんどなくなり、山深い渓谷沿いの道が延々と続く。滋賀では味わえない「山の奥へ奥へと入っていく感覚」がここにある。(参考:Bike Bros)
国道168号は熊野川に沿う片側1車線の道路で、雄大な川と山に挟まれた緩やかなカーブが続く走りやすい道だ。トライクの低重心と開放感が、この景色にぴったり合う。(参考:JAF Mate)
夏こそ行きたい理由がある 夏こそ行きたい理由がある
夏に熊野古道・高野山ルートをすすめる理由はシンプルだ。
高野山は標高800m以上にあり、平野部と比べると気温が5〜7℃ほど低い。7月の最高気温は26.6℃で、大阪の32℃と比べると明らかに涼しい。トライクはルーフがなく全身で風を受けるぶん、この気温差が体感としてはっきりわかる。平地で汗だくになりながら走ってきた体に、山の冷気が染みる瞬間が最高だ。(参考:ZueMaps)
ただし夏の高野山は湿度が高い。都心部より5〜10℃気温が低いが、ジメっとした感覚は残る。レインウェアは必携だ。(参考:Jinja-tera-gosyuin-meguri)
普通免許で世界遺産を走れる 普通免許で世界遺産を走れる
このルートの特別なところは、バイク免許がなくても走れることだ。トライクは普通自動車免許で乗れる3輪車。3輪の安定感があるから、山岳路でも「倒れるかも」という不安なく景色に集中できる。熊野古道エリアの曲がりくねった山道も、安定したトライクなら落ち着いて走り抜けられる。
ツーリングルート全体像 ツーリングルート全体像
【1日目】
草津(j.kraft)→ 阪和道・紀勢道 → 上富田IC → 国道311号
→ 熊野本宮大社(参拝・古道散策)→ 県道198号 → 龍神温泉(宿泊)
【2日目】
龍神温泉 → 高野龍神スカイライン → ごまさんスカイタワー(休憩)
→ 高野山(参拝)→ 帰路
総走行距離:約450〜480km(往復)
走行時間目安:1日目 約4〜5時間、2日目 約3〜4時間
1日目前半|草津を出発して熊野本宮大社へ 1日目前半|草津を出発して熊野本宮大社へ
草津(j.kraft)→ 阪和道・紀勢道 草津(j.kraft)→ 阪和道・紀勢道
j.kraftは草津市矢橋町にある。朝7時〜8時には出発したい。遅くとも8時出発にしないと、古道を歩く時間が取れなくなる。
草津ICから名神→阪和道へ乗り継ぎ、紀勢自動車道の上富田ICを目指す。高速区間は約180〜200km。走るにつれて景色が都市から山岳へと変わっていき、「旅に出てきた」という実感が自然と高まる区間だ。
上富田IC → 国道42号 → 311号 → 本宮 上富田IC → 国道42号 → 311号 → 本宮
上富田ICで降りて国道42号に入り、岩崎交差点を左折して311号へ。そのまま進んで本宮のT字路を168号に入ると熊野本宮大社に到着する。上富田ICから本宮大社まで約53.7km、所要約1時間10分。(参考:Jisyameguri)
この区間で覚えておいてほしいのが補給ポイントのことだ。ローソン田辺大塔店から先、新宮方面へ抜けるまでコンビニを含む24時間営業の店が一切ない。上富田ICを降りたあたりで必ず給油と飲食物の補給を済ませておくこと。(参考:Wakayama)
1日目前半|熊野本宮大社と熊野古道 1日目前半|熊野本宮大社と熊野古道
熊野本宮大社|158段の石段が待っている 熊野本宮大社|158段の石段が待っている
本殿へと続く158段の石段の両脇には幟がなびき、生い茂る杉木立が悠久の歴史を感じさせる。ヘルメットを脱いで、この石段を一段一段上がっていく。それだけでここまで走ってきた価値があると感じるはずだ。(参考:Jalan)
熊野古道を少し歩くなら「発心門王子コース」 熊野古道を少し歩くなら「発心門王子コース」
発心門王子から熊野本宮大社までは約7km、ゆるやかな下りで歩きやすい人気コースだ。トライクは本宮大社の駐車場に停めて、バスで発心門王子まで上がってから歩いて戻ってくるスタイルが現実的。全部歩くと2時間以上かかるので、時間に余裕があるときのみ挑戦してほしい。(参考:Hongu)
大斎原(おおゆのはら)も外せない 大斎原(おおゆのはら)も外せない
古来より熊野本宮大社があった場所は大斎原と呼ばれ、現在は高さ約34mの大鳥居が建つ。明治22年の大水害で社殿を現在の場所に移築した。本宮大社からすぐ近くにある。田んぼの向こうにそびえる巨大な鳥居は、どこかで見たことがある景色のはずだ。(参考:バイク王)
1日目後半|龍神温泉へ 1日目後半|龍神温泉へ
熊野本宮大社 → 龍神温泉|ここが要注意区間 熊野本宮大社 → 龍神温泉|ここが要注意区間
本宮から龍神温泉へ向かう県道198号は、幅の狭い山岳路が続く。対向車とのすれ違いでトライクの車体幅が問題になりやすい区間だ。焦らずゆっくり走ることが唯一のコツ。夜間は鹿が飛び出すこともあるので、できれば明るいうちに到着したい。
龍神温泉|日本三大美人の湯で旅の疲れを癒す 龍神温泉|日本三大美人の湯で旅の疲れを癒す
龍神温泉は日高川の渓流沿いに位置し、木々の香りと川のせせらぎが響く自然豊かな郷。江戸時代には紀州徳川藩主の別荘地として栄えた歴史ある名湯だ。群馬県の川中温泉、島根県の湯の川温泉とともに「日本三大美人の湯」のひとつに数えられる。(参考:Jalan/JTB)
山岳路を走り切った体に、このしっとりした泉質が染みる。
① 龍神温泉 上御殿
江戸時代から文豪に愛された老舗旅館。露天風呂は完全貸切制で、高野槙造りの内湯は木の香りが心地よい。カップルでの利用に特に人気が高い。(参考:Nifty Onsen)
② 龍神温泉 下御殿
日高川の渓流に面した露天風呂やひのき風呂、御座敷風呂とバリエーション豊か。全客室が日高川に面しており、川のせせらぎを聞きながら過ごせる。(参考:Nifty Onsen)
③ 季楽里龍神
龍神材をふんだんに使った木の香漂う宿。食事・温泉・清潔感の三拍子が揃っていると口コミ評価が高く、コストパフォーマンスも比較的選びやすい。(参考:JTB)
2日目|高野龍神スカイラインから高野山へ 2日目|高野龍神スカイラインから高野山へ
高野龍神スカイライン|関西屈指のワインディング42.7km 高野龍神スカイライン|関西屈指のワインディング42.7km
起点を高野町奥の院交差点、終点を龍神村とする全長42.7kmの山岳道路。かつては有料道路だったが現在は無料で走れる。(参考:Yurufuwagekijo)
尾根道ということで見通しが良く、約43kmほぼ走りっぱなしで爽快感を楽しめる道だ。トライクで走ると、この開放感がさらに際立つ。低重心で安定した車体がカーブをなめらかにこなしながら、尾根道に吹き抜ける山の風が全方位から来る。バイクとも普通車とも違う感覚だ。(参考:Doko-iko)
走る前に知っておきたい注意点 走る前に知っておきたい注意点
- 路面は概ね良好だが、時折大きなうねりや凸凹、ひび割れがある区間もある(参考:Scenic-highway)
- 冬季(12月15日〜翌年3月25日)は二輪・三輪は終日通行止め(参考:Ryujin-kanko)
- 標高が高いため霧が出やすく、気温が平地より5〜10℃低い。夏でも防寒着は必携
- スカイライン上はガソリンスタンドがない。龍神温泉で必ず給油しておくこと
ごまさんスカイタワー|中間地点で絶景休憩 ごまさんスカイタワー|中間地点で絶景休憩
スカイラインの中間地点にある道の駅。高さ33mの展望塔は護摩木を積み上げた独特の形をしており、見通しの良い日には四国山脈まで眺望できる。ここで一度トライクを停めて、景色を眺めながら休憩してほしい。(参考:Ryujin-kanko)
高野山|標高800mの聖地で旅を締める 高野山|標高800mの聖地で旅を締める
高野山は標高約800mの山上盆地にある。夏の日中は27〜30℃と安定しており、平地の猛暑とは別世界の涼しさだ。スカイラインを走り切った体に、この高原の空気が心地いい。(参考:Sainanin)
弘法大師空海が約1200年前に開いた真言密教の聖地で、2004年にユネスコ世界遺産に登録されている。観光バスで訪れる人が大半のなか、トライクで乗り付けたときの存在感は格別だ。駐車場で声をかけられることも少なくない。(参考:JAF Mate)
外せないスポット3つ 外せないスポット3つ
- 奥之院:弘法大師が今も眠るとされる聖域。杉並木の参道は圧巻
- 金剛峯寺:高野山真言宗の総本山。広大な境内と荘厳な建物
- 壇上伽藍:根本大塔をはじめ密教の宇宙観を体現した空間
熊野古道ツーリングのベストシーズン 熊野古道ツーリングのベストシーズン
| 時期 | 特徴 |
|---|---|
| 春(4〜5月) | 新緑が美しい。気温も走りやすく最もおすすめ |
| 夏(7〜8月) | 平地の猛暑を避けて走れる。高野山の涼しさが格別 |
| 秋(10〜11月) | 龍神スカイラインの紅葉が絶景。ただし観光客多め |
| 冬(12〜3月) | スカイラインが通行止め。このルートは走れない |
このルートを走る前のチェックリスト このルートを走る前のチェックリスト
- 出発は朝7〜8時:古道を歩く時間を確保するために必須
- 上富田IC降りてすぐ給油・補給:この先コンビニなし区間が長い
- 龍神温泉でも必ず給油:スカイライン上はスタンドがない
- 宿は1〜2ヶ月前に予約:龍神温泉の宿は数が限られている
- 防寒着とレインウェアは必携:山岳部は天気が変わりやすい
- スカイラインの通行規制を事前確認:冬季は三輪車通行止め
まとめ|ハードルが高いからこそ、残る旅になる まとめ|ハードルが高いからこそ、残る旅になる
一泊二日、総走行距離450km超。誰にでも気軽におすすめできるルートじゃない。でも、それだけの距離と時間をかけて走り切ったときの満足感は、他のルートでは代えられないものがある――それがこのルートをすすめたい理由だ。
熊野古道の石段、龍神温泉の美人の湯、高野龍神スカイラインの山の風、高野山の涼しい聖域。これを全部トライクで体験できる一泊二日はそうそうない。夏のツーリングの選択肢に、ぜひ加えてほしい。
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